焼結石の製造工程
造粒、真空プレス、焼結、仕上げの4工程。それぞれの検査項目と、単一の数値以上に品質管理が重要な理由を解説します。
鉱物を圧力と熱で一体化する工程を、工場内で制御します。自然界の形成過程に着想を得た技術です。
第1段階:原料の調整
天然鉱物を粉砕し、所定の割合で混合して、粒の大きさを整えます。均一な充填は、焼成時の収縮や反りを抑えるうえで重要です。
第2段階:真空成形
原料を型に入れ、空気を抜いてから加圧します。気泡が残ると、吸水や破損につながる空隙になる可能性があります。
第3段階:焼結
成形した板を1170〜1230℃の炉に通し、粒子を結合させます。一部がガラス相となって結晶相を結び、有機結合剤を用いずに一体化します。
焼成条件が過剰でも不足しても、反りや微細な空隙が生じる場合があります。設備と工程管理が品質を左右します。
第4段階:仕上げ
マット、鏡面、半マット、模様に合わせた凹凸など、目的に応じた表面に仕上げます。防滑性能は仕上げによって変わるため、採用する製品の試験値を確認してください。
ロット管理:3項目を4時間ごとに確認
| 項目 | 許容値 | 確認方法 |
|---|---|---|
| 色差 | ΔE ≤ 0.3 | 4時間ごとに測定 |
| 厚み | ±0.2 mm | 4時間ごとに測定 |
| 吸水率 | 0.1%以下(参考実測値:約0.02%) | EN ISO 10545-3 |
ΔEは色の差を数値化した指標です。小さいほど差が少なく、0.3以下という管理値は微細な違いを抑えるためのものです。追加発注時もロット間の色差を現物で確認してください。
厚みの管理値は±0.2mmです。長さ3.2mの大判では、わずかな差でも継ぎ目や光の反射に現れるため、加工と施工を含む管理が重要です。
吸水率はEN ISO 10545-3に基づき確認します。0.1%以下という管理値に対し、本例の参考実測値は約0.02%です。吸水率は内部の空隙を評価する指標にもなります。
繰り返し確認する理由
単独の測定は試料の状態を示します。一定間隔で測定することで、工程の徐々の変化を捉え、大きなロット内の差を抑えられます。
管理の仕組みが、試料だけでなくロット全体の品質を支えます。
よくある質問
焼結石は何度で焼成しますか?
本記事の製造例では1170〜1230℃です。一部がガラス相になり結晶相を結合します。この工程で有機結合剤は加えません。
成形時に真空を使う理由は?
加圧前に空気を抜き、完成した板に吸水や破損の起点となる空隙が残るのを抑えるためです。
ΔE 0.3以下とは何ですか?
色の差を表す管理値です。値が小さいほど差が少ないことを示します。見え方は光や表面状態にも左右されるため、追加材との一致は現物で確認します。